クラウドで観劇や船遊び
旅行のパーソナリティの中には、観光スポットを紹介するだけでなく、体験型の「クラウドツアー」を実施する人もいて、ネットユーザーたちを「クラウド観劇」や「クラウド船遊び」に連れて行く。4月15日午前、パーソナリティの「夢梅在等■(にんべんに尓)」さんは江蘇省常熟市の沙家浜観光スポットで、カメラを通じて歴史的物語を紹介し、風景やグルメ、伝統の芝居を画面に登場させた。
夢梅在等■は、「みなさんは家から出なくても、私がみなさんをクラウドツアーにお連れします」と言い、1時間50分のライブ配信の中で、カメラを通じて京劇のステージを約10分間、民俗博物館を約15分間、それぞれ紹介し、櫓櫂船に30分近く揺られる様子を配信した。全編にわたり、風景を紹介する合間に「広告」をちょくちょく挟み込んだ。
複数のオンライン旅行プラットフォームのライブ配信現場を見ると、パーソナリティの大半が自然の風景を通して、現地の風土、人情、物語を紹介して、ユーザーの関心を呼ぼうとしている。配信現場には「観光ルートのパック」や「ホテル割引券」だけでなく、「日焼け止め」、「査証の手続き」、「ダイビングのライセンス取得カリキュラム」などの購入先へのリンクも張られていた。
大物がパーソナリティに変身してネットで物を売る
観光ガイドが旅行のライブ配信パーソナリティに変身しただけでなく、旅行業の大物たちも配信現場に登場した。3月23日、オンライン旅行予約サイト大手の携程網を創業した梁建章さんは三亜市のホテルのアトランティス三亜に姿を現し、人生初のライブコマースを開始した。予約販売の割引価格が魅力で、予約注文ボタンが次々に押された。データによると、ライブ配信の開始から30分だけで取引額は100万元(1元は約15.2円)に達し、開始50分には350万元に達し、1時間の配信が終わった時には、1千万元相当の旅行商品を売り上げていた。
ビジネス界の大物が商品を販売することについて、ネットユーザーからは、「旅行業界の大変さがうかがえる」、「低価格か飢餓商法こそライブコマースの重要ポイント」、といった声もあれば、「予約販売の商品を買ったが、いつ利用できるかわからない」という懸念も聞こえる。
旅行のライブ配信は「フォロワーを育てる」ためだけ?