物質・材料研究機構生体材料研究センター(茨城県つくば市)は8日、ウサギを使った実験で、軟骨を思った通りの形で再生させることに成功したと発表した。変形性関節症やリウマチなどでヒトへの臨床応用を目指すとしている。
◇つくばの研究所が成功
同センターはこれまで、微小重力を発生させる回転培養装置で、ウサギの幹細胞から軟骨を培養することに成功していた。今回、培養の際に骨などに含まれる繊維質のスポンジを土台に使うことで、目的の形にコントロールしながら再生することに成功。この軟骨組織をウサギに移植したところ、十分な強度が保たれ、生体で機能していることを確かめた。
軟骨に損傷が起きるリウマチなどでは、軟骨再生の技術を使った治療に期待が集まっており、使用可能な形の軟骨組織を作り出すことが課題だった。今回の技術を使えば、思い通りの形に作れることになり、同センターは今後、サル、ヒト細胞を用いた研究を予定している。【和泉清充】