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プール事故:渡された吸水口のふた、監視員は認識できず

埼玉県ふじみ野市の市営ふじみ野市大井プールで、同県所沢市山口、市立小手指小2年、戸丸瑛梨香(えりか)ちゃん(7)が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、吸水口のふたが外れた直後の監視員の行動の全容が判明した。外れたふたを渡された監視員は何のふたか分からず、管理会社のスタッフ教育のずさんさが浮き彫りになった。県警捜査1課と東入間署は、対応の遅れが事故を招いた可能性もあるとみて捜査している。

 調べでは7月31日午後1時過ぎ、小学4、5年ぐらいの男児が、外れたふた(縦横60センチ)を監視員に届けた。監視員は無線で、約20メートル離れた管理棟2階の連絡役の監視員に「ふたが外れている。重要なふたかもしれないので来てほしい」と連絡。近くにいた監視員と、管理棟1階にいた現場責任者(36)が現場に行った。吸水口のふたがはずれているのを確認した現場責任者は、修理する針金を取りに戻り、残った監視員は利用者に吸水口に近づかないよう大声で注意。直後に瑛梨香ちゃんが吸い込まれたとみられる。

 当時、監視員は13人いたが、いずれも流水プールの仕組みを知らなかったとみられる。県警は、ふたが外れた時の危険性などを教育せず、緊急時の具体的な対応マニュアルもないなど、ずさんな管理態勢が事故につながった可能性があるとみて捜査している。

 また、司法解剖で瑛梨香ちゃんの死因はパイプの湾曲部に頭を強打したことによる脳幹損傷と分かった。頭蓋骨(ずがいこつ)が折れており即死とみられる。遺体は1日夜、自宅に戻った。【高本耕太、弘田恭子】

毎日新聞 2006年8月2日

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