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プール事故:固定用ネジ穴を施工業者が現物合わせで作製

埼玉県ふじみ野市の市営プールで、同県所沢市立小手指小2年、戸丸瑛梨香(えりか)ちゃん(7)が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、吸水口のふた(60センチ四方)を固定するネジ穴(直径3.5ミリ)は、現物合わせで作られていたことが4日、県警捜査1課と東入間署の調べで分かった。この結果、ネジ穴の位置はふたごとに異なり、違うふたで吸水口をふさごうとすると、ネジ穴がずれてボルトが入らないという。プール管理会社「京明プランニング」(さいたま市)関係者は調べに「ネジ穴がずれて、針金を双方の穴に通して固定する以外に方法がなかった」と釈明しているという。

 調べでは、プールは85年9月~86年3月の施工。吸水口は3カ所あり、ふたは各吸水口に2枚ずつ並んでいる。施工時、ふたの四隅にドリルで穴を開けた後、プール側に埋め込まれた留め具にふたをあてがい、留め具側のネジ穴を切っていた。清掃や設備点検などでふたを外し、元と違う位置に取り付けようとすると、ネジ穴が合わなくなるという。

 同社の社員は「6~8年前に針金を使い始めた」と供述。同社が初めてプール管理を請け負った92年当時は、吸水口のふたはすべてボルトで固定されていたという。しかし、間をおいて99年ごろに受託した際、ボルトが留まらないことに気付き、予備がなかったため針金を使ったといい、県警は詳しい経緯を調べている。

 吸水口の計6枚のふたの固定状況も判明した。合計で24あるネジ穴のうちボルトで固定されていたのは4分の1の六つだけで、針金でもボルトでも固定されていない隅が計3カ所あった。事故があった吸水口のふたは、右側は四隅ともにボルトで固定されていたが、外れた左側は四隅ともに針金を使っていたとされる。

 また、外れたふたの左下の留め具に残っていた針金(直径1.8ミリ)は、腐食して切れたとみられることが断面の鑑定で分かった。針金はプラスチックでコーティングされた軟鋼製。同社の現場責任者は調べに「(針金が)さびていたので取り換えた」と答えており、県警はその通りだったのか裏付けを急いでいる。【村上尊一、弘田恭子】

毎日新聞 2006年8月4日

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