埼玉県ふじみ野市大井武蔵野の市営ふじみ野市大井プールで、同県所沢市山口、市立小手指小2年、戸丸瑛梨香ちゃん(7)が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、外れたアルミ製のふた(縦60センチ、横60センチ)の一部は針金で固定されていたことが1日、県警捜査1課と東入間署の調べで分かった。国の指針は、吸水口のふたはネジやボルトで固定するよう求めている。県警捜査1課などは、業務上過失致死の疑いもあるとみて、プールの設備や管理、事故当時の対応に問題がなかったか関係者から事情を聴いている。
調べでは、吸水口は断面が円形(直径約50センチ)で、外側には格子状のアルミ製のふた(縦60センチ、横60センチ)が2枚取り付けられていた。通常はそれぞれ四隅をボルトで固定しているが、事故があった7月31日午後1時過ぎ、利用客が左側の1枚が外れているのに気付き、監視員に指摘した。
同課は、ふたを固定した針金の種類や固定方法、固定した時期、理由などについて、プールの管理運営を委託されたさいたま市内の業者などに事情を聴き、強度が十分だったか調べている。管理責任者のふじみ野市は「ふたを針金で固定していたという報告は受けていない」と話している。
また、ふたが外れていることを把握した監視員は同1時半ごろ、プール西側の管理棟にいる責任者に報告、責任者は現場確認後、「利用者に吸水口付近に近づかないよう呼び掛けるように」と監視員に指示した。別の監視員が応急補修用の道具を取りに行った直後に事故は起きており、県警は1時過ぎに発覚して以降の対応に問題がなかったも調べている。【村上尊一、弘田恭子】
毎日新聞 2006年8月1日