埼玉県ふじみ野市の市営プールで、同県所沢市立小手指小2年、戸丸瑛梨香ちゃん(7)が吸水口に吸い込まれ死亡した事故で、瑛梨香ちゃんの両親は3日、親族の中村正義さん(57)を通じて報道陣の質問に答えた。中村さんによると、両親はこの日、ふじみ野市とプール管理会社の関係者が通夜や葬儀に参列することを辞退するよう、同市に求めたという。中村さんは「当事者に来られても素直に受け入れられないのだろう」と両親の気持ちを推し量った。【和田憲二】
両親との主な一問一答は次の通り。
--瑛梨香ちゃんはどのような子供だったか。
◆明るくていつも周りに友達が必ずいる、優しくて誰からも可愛がってもらえるいい子でした。「大きくなったらピアノの先生になるからグランドピアノを買ってね」といつもせがまれていました。料理とか掃除とか洗濯物をたたんだりしながら「どうやったらママみたいになれるの?」って聞きながら手伝いをしてくれていた子です。毎日、手紙や手作りの折り紙をプレゼントしてくれました。
--冥福を祈るため、家族で何かしているか。
◆生前と同じように朝起きたら「おはよう」と声をかけ会話をしています。またビデオや写真を見ながら、瑛梨香がどんなに自分たちにとって大事な子で、どんなに大切な宝物だったかということを話して過ごしております。
--事故が起きたプールにはよく行ったのか。
◆1歳のころから兄らと一緒に毎年のように行っていました。(事故当日は)正午ごろプールに着き、流れるプールに入ってからスライダーで滑って、また流れるプールで友達と遊んでいました。
--事故に関して最も疑問に思うことは何か。
◆率直にどうしてこんな事故が起こってしまったのか悲しくて悔しい気持ちです。(市や委託会社の管理態勢など)個別的なことについては、警察や市がきちんと明らかになるように調査されると思っています。悔しくて悲しい気持ちでいっぱいですけれども、今は残された時間を瑛梨香と一緒に過ごすということで精いっぱいなので、(法的手段など)今後のことはまだ考えが及びません。
毎日新聞 2006年8月3日