ドラッグストア大手のツルハホールディングス(札幌市)の子会社、くすりの福太郎(千葉県鎌ケ谷市)が関東で運営する調剤薬局で、薬剤師が記録することを求められている薬剤服用歴を記載せず、患者に薬を出していたことが10日、同社への取材で分かった。未記載は約17万件に上り、一部で診療報酬を不適切に請求していた疑いがあるという。
患者の薬剤服用歴を適切に管理して薬を出せば、1回につき原則410円の診療報酬が得られる。同社は厚生労働省に事実関係を報告しており、「今後詳細に調査し、不適切な請求があれば返金を検討する」とコメントしている。
調剤薬局の薬剤師は医師の処方箋に従って調剤する際、患者ごとに薬の副作用などを薬剤服用歴に記録する必要がある。薬剤服用歴を参照し、患者に再び薬を調剤する。
しかし、同社が2013年3月に社内調査したところ、約17万件の薬剤服用歴が未記載だったことが判明した。
薬剤師が患者の状況をメモし、後でパソコンで管理されている薬剤服用歴に情報を打ち込む手順だったが、入力されないままメモが放置されていたという。
塩崎恭久厚労相は、10日の閣議後の記者会見で、「仮に不正な請求があったならば、厳正に対処しないといけない」と述べた。