兵庫県篠山市は19日までに、甲状腺被曝(ひばく)を抑える安定ヨウ素剤を、全市民に事前配布する方針を固めた。篠山市は関西電力高浜原発(福井県高浜町)から約50キロの位置にあり、同市によると、30キロ圏外の自治体がヨウ素剤を事前配布するのは全国初という。
原子力規制委員会の指針では、5キロ圏内の自治体には事前配布を求め、5~30キロ圏内では自治体が備蓄して事故後に、必要な場合は配布することとしている。
篠山市では、2012年度から協議を重ね、14年に市民約4万3千人と観光客の計5万人分を購入し、備蓄していた。今後、事前配布に向けた市民への説明や問診を行うという。
同市市民安全課は「緊急時に、備蓄したヨウ素剤を市民にスムーズに行き渡らせられるか、という懸念がある。事前に配布をして、市民の安全を図りたい」としている。〔共同〕