【NQNニューヨーク=古江敦子】24日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比15銭円安・ドル高の1ドル=118円90銭~119円00銭で取引を終えた。イエレン米連邦準備理事会(FRB)の議会証言を受け、米株式相場が大幅に上昇。投資家心理が強気に傾き、ドルに対して金利水準の低い円に売りが出た。
イエレン氏の議会証言について市場では雇用など米景気の先行きに引き続き強気な見方を示したとの受け止めが広がり、円売り・ドル買いが出た面もあった。一時は119円84銭と、12日以来の円安・ドル高を水準を付けた。
ただ、前日終値に比べて円高・ドル安水準で推移する場面もあった。証言前の市場では、イエレン氏が年央付近の政策金利の引き上げを示唆するとの観測もあっただけに、実際には利上げ時期への言及がなかったことを受けドル買いの持ち高を解消する動きが広がった。円は一時118円75銭まで上昇した。
朝方発表の昨年12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は上昇した一方、2月の消費者信頼感指数は前月から低下した。この日の米経済指標は強弱の入り交じる内容となり、為替相場への影響は限られた。
円は対ユーロで反落し、前日比30銭円安・ユーロ高の1ユーロ=134円90銭~135円00銭で取引を終えた。円がドルに対して下落し、ユーロに対しても売りが広がった。
欧州連合(EU)は同日、ギリシャ政府が提出した金融支援延長の前提となる財政構造改革案を承認することで合意した。市場では「合意は想定通り」との受け止めが多く、相場の反応は限られた。
ユーロは対ドルで小反発。前日比0.0005ドル高い1ユーロ=1.1335~45ドルで終えた。イエレン氏が議会証言で利上げ時期に関する示唆はしなかったのを受け、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りがやや優勢になった。この日の高値は1.1359ドル、安値は1.1288ドルだった。