22日午前の東京外国為替市場で円相場は大幅に反落した。12時時点では1ドル=117円87~90銭と前日17時時点に比べ1円13銭の円安・ドル高だった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁による追加緩和の示唆を受けて米株式相場が上昇し「低リスク通貨」とされる円の売りが優勢だった前日の米国市場の流れを引き継いだ。欧州や日本の追加金融緩和観測を背景に日経平均株価が大幅高となり、円売り・ドル買いを促した。麻生太郎財務・金融相が閣議後記者会見で円相場について「為替の動向には注目している」と述べたと伝わった。市場では「一段の円高をけん制するような発言と受け止めた市場参加者が円売りに動いた」(国内銀行)との声が出ていた。
円は下げ渋る場面もあった。「心理的な節目である118円近辺では短期的な投機筋から持ち高調整の円買い・ドル売りが入った」(別の国内銀行)という。もっとも買い一巡後は日銀の追加緩和観測などを材料にした円売りが優勢になり、円安・ドル高が進んだ。
9~12時の円の安値は117円95銭近辺、高値は117円54銭近辺で、値幅は41銭程度だった。
円は対ユーロで反落した。12時時点では1ユーロ=127円75~78銭と同43銭の円安・ユーロ高だった。円が対ドルで売られると、対ユーロでも円安が進んだ。
ユーロは対ドルで続落した。12時時点では1ユーロ=1.0836~39ドルと同0.0070ドルのユーロ安・ドル高で推移している。ECBのドラギ総裁が21日に追加緩和を示唆し、ユーロ売り・ドル買いが優勢だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕