13日後場中ごろの東京株式市場で日経平均株価はじり高。一時は1万6363円と前日比の上げ幅を434円まで拡大した。円相場が1ドル=109円に迫る水準で落ち着いた推移となっており、トヨタなど輸出関連株の一角が上げ幅を拡大。KDDIやソフトバンクなど値がさ株でも上げ幅を縮小する銘柄が目立ち、指数を押し上げた。一方、3月14日の取引時間中に付けた高値と4月8日に付けた安値の半値戻しや一目均衡表の基準線にあたる1万6381円が目前に迫っており、高値圏では利益確定や持ち高調整目的の売りも出ている。
前日の海外市場で原油先物相場が約4カ月半ぶりの高値を付けたほか、中国の税関総署が発表した3月の貿易統計で輸出が市場予想以上に伸びたことも相場を支えている。エネルギー関連企業の信用力が回復するとの思惑やアジアの新興国経済が支えられるとの見方から三菱UFJや三井住友FGなどメガバンク株が堅調に推移している。市場では「海外勢の売りが一巡しつつあるとの観測も相場を支えている」(マネックス証券の金山敏之シニア・マーケット・アナリスト)との指摘があった。
JPX日経インデックス400や東証株価指数(TOPIX)も高値圏でのもみ合いが続いている。規模別では時価総額の大きい大型株の上昇率が中型株や小型株を上回っている。
14時現在の東証1部の売買代金は1兆6254億円、売買高は16億2923万株。値上がり銘柄数は1646、値下がり銘柄数は230、変わらずは74。
マツダや富士重など円相場が収益に与える影響が大きい銘柄を含め、自動車株が全面高。小野薬が引き続き高く、ファストリやファナックも買われている。野村が上げ幅を広げ、大和も小幅高で推移している。半面、午前に年初来高値を付けたソニーが引き続き安く、大東建や任天堂、JR東海も下げている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕