麻生太郎副総理・財務相と甘利明経済財政・再生相は25日の衆院予算委員会で、2020年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字にする従来の政府目標を、今夏にまとめる新たな財政再建計画にも明記する考えを明らかにした。麻生氏は「引き続きこの目標に変更はないと国際社会に説明し続ける必要がある」と強調した。公明党の樋口尚也氏への答弁。
基礎的財政収支は社会保障費など国の政策に必要な経費を新たな借金に頼らず税収などで賄えるかをみる指標だ。政府は1992年度から一貫して赤字だった基礎的収支を2020年度に黒字にする目標を掲げてきた。
内閣府の試算では、15年度時点の基礎的収支は国内総生産(GDP)比3.3%分の赤字となる。12日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、伊藤元重東大教授ら民間議員の提言は健全化目標を巡り「基礎的収支の黒字化」と記さず「GDP比3.3%分の改善」と表現した。
この表現を巡り、麻生氏は「目標が変わったと取り違えられたら困る」と指摘。「政府としては20年度の基礎的収支黒字化の健全化目標を堅持していく」と訴えた。
諮問会議の司会役である甘利氏は「(基礎的収支の)『黒字化』をより具体化すると『(GDP比)3.3%分の改善』になる」と述べ、2つの表現は同義だと強調。具体的な数値を示すことで「(目標達成への)行動計画を描きやすい」とも述べた。