オウム真理教幹部だった上祐史浩氏が設立した「ひかりの輪」の信者に立ち入り検査の日程を漏らしたとして、東京地検特捜部は27日、公安調査庁の風間寛之・公安調査官(31)=東京都調布市=を国家公務員法(守秘義務)違反の罪で略式起訴した。
特捜部などによると、調査官は団体規制法に基づくオウム真理教関連の調査を担当していたが、2013年6月17日、ひかりの輪の信者に対し、翌18日に関東公安調査局による立ち入り検査があることを携帯電話のメールで伝え、職務上の秘密を漏らしたとされる。
公安調査庁の調べに対し、調査官は「信者の信頼を得て、より充実した情報を手に入れようと思った」と説明。情報提供の見返りの金銭の授受などは確認されていないという。
同庁は27日、調査官を減給100分の5(1カ月)の懲戒処分とした。上司3人についても監督責任を問い厳重注意などとした。