虚偽の記事で西陣織の帯が販売できなくなったとして、京都市の帯製造販売会社などが、帯の卸販売業者と京都新聞社に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(田中敦裁判長)は27日までに、卸販売業者と京都新聞に約940万円の賠償を命じた2013年4月の一審・京都地裁判決を取り消し、卸販売業者にのみ計約670万円の支払いを命じた。
判決は「生命や健康などに関わる特段の場合を除き、商品の紹介記事には、犯罪報道や調査報道ほどの高度な注意義務は求められない」と指摘。「記者は過去の記事も事前に確認するなど一応の調査義務を果たした」とした。
判決によると、京都新聞は11年5月、実際は帯製造販売会社が開発製造した帯を、卸販売業者が開発したとの記事を掲載した。記者は卸販売業者に取材して記事化。京都新聞は翌6月の紙面で訂正記事を掲載した。