中東の過激派組織「イスラム国」(IS)を名乗る組織による邦人人質事件で、警視庁と千葉県警の合同捜査本部が、4月中旬までにトルコに捜査員を派遣する方針を固めたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。殺害されたとみられる湯川遥菜さん(42)と後藤健二さん(47)はいずれも拘束前にトルコに入国していたとみられ、2人の足取りを調べる。
捜査関係者によると、湯川さんはトルコからシリア北部に入り、昨年8月に拘束されたとみられる。後藤さんは同10月にトルコに入国し、ISが「首都」と称するラッカを目指していた際に連絡がとれなくなった。捜査本部は現地当局を通じ、途中まで後藤さんに同行したシリア人ガイドらに経緯を聴く方針。
2人をめぐっては1月20日、同組織が身代金2億ドルを要求する声明をインターネット上に公開。同31日までに2人を殺害したとする映像が公開された。
2人の居住地を管轄する警視庁と千葉県警の合同捜査本部が、殺人や人質強要処罰法違反などの容疑で捜査している。