30歳になる前に資産が10億ドル(約1200億円)に達する億万長者になることはほぼ不可能だが、今回新たにランキング入りを果たした3人はその離れ業をやってのけている。スマートフォン(スマホ)向けの写真共有アプリ「スナップチャット」の共同開発者、エバン・スピーゲル氏(24)とボビー・マーフィー氏(26)、ビールの合弁会社の相続人でDJのフリオ・マリオ・サント・ドミンゴ氏(29)の3人が世界最大級の富豪リストに名を連ねた。
閲覧時間限定の写真送信サービスを手がける企業、スナップチャットの最高経営責任者(CEO)のスピーゲル氏は、世界で最も若い億万長者だ。スピーゲル氏はスタンフォード大学のカッパ・シグマ学生社交クラブで、共同経営者となるマーフィー氏と出会った。最初に開発した写真アプリが失敗に終わったのち、2人は11年、アプリのブランド名をスナップチャットに変更して公開した。現在、この無料アプリは毎月1億人が利用している。スピーゲル氏とマーフィー氏はそれぞれ、投資家から100億ドル(約1兆2000億円)の価値をつけられているスナップチャットの株式の少なくとも15%を所有している(フォーブス推計)。
「最初は全然いけてなかった」。13年、マーフィー氏は、スピーゲル氏と大学で取り組んだこの事業について、フォーブス誌にこう語っている。「そこでいろいろ改良し、すごいアプリにした」
この3人の20代の新富豪のほか、さらに40歳未満の富豪18人が新たにリストに名を連ねた。これらの億万長者のうち27人は自力で富を築き、20人はテクノロジーの世界で財を成している。自力で億万長者リスト入りを果たした人々のなかには、自宅の空き部屋などを貸し借りするサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」を運営するネイサン・ブレチャージク氏とブライアン・チェスキー氏、ウーバーのトラビス・カラニック氏とライアン・グレーブズ氏、およびギャレット・キャンプ氏、さらに簡単に血液を検査できる方法を開発したエリザベス・ホームズ氏(31)がいる。9人いる女性の若手億万長者の1人であるホームズ氏は、独力で富豪になった世界中の女性のうちで最も若い。