トヨタ自動車は11日までに、中国の天津市で老朽化した乗用車の組み立て工場を刷新する検討を始めた。数百億円を投じて年産10万台規模の工場を新設し、2018年にも稼働させる方向だ。古い工場は操業を停止する見通し。生産効率が高く需要変動に強い最新の製造設備に入れ替え、競争力を高める。
中国の自動車大手、第一汽車集団との合弁会社である天津一汽トヨタが新工場を建てる。02年に稼働させ、小型車「ヴィオス」を生産している「西青工場」を刷新する方針だ。同工場はトヨタの中国の組み立て工場では最も古く、敷地面積も約6万平方メートルと小さい。設備を入れ替える余力が乏しく、移転が必要と判断した。
トヨタは天津の工場刷新とは別に、広州汽車集団との合弁会社を通じて広州市に年産10万台の新工場を建設する方針だ。月内に正式決定して発表する。新工場は18年にも稼働し、小型車「ヤリス(日本名ヴィッツ)」を生産する予定。広州の生産能力が増えることで中国全体では年間110万台規模の生産が可能になり、現在より約1割増える。