【ニューヨーク=山下晃】米司法省は21日、先物の相場操縦容疑で、30代の男性トレーダーが英国で逮捕されたと発表した。男性は2010年に米国株式相場が大幅急落した「フラッシュ・クラッシュ(瞬時の急落)」の原因となった取引にも関与していた。
司法省などの発表によると、男は自身の投資会社で10年から15年まで違法な取引を続け、およそ4000万ドル(約48億円)の収益を得た。売買注文を頻繁に修正したり注文が成立する前に取り消したりして投資家をだまし、利ざやを稼いでいたとみている。
米国株式市場では10年にわずか数分でダウ工業株30種平均が一時約1000ドルも下落した。
男は相場急落の直前にS&P500種株価指数に関連した先物に大口の売り注文を出していた。米証券取引委員会(SEC)などはこの取引が相場急落を引き起こしたとの調査結果を公表した。