【カイロ=押野真也】イスラエルのネタニヤフ首相が率いる連立内閣が14日夜(日本時間15日未明)、同国国会で宣誓式を終え、発足した。極右政党を加えた5つの政党による連立政権で、右派色が強いのが特徴。国会内で安定多数を確保しておらず政権基盤はもろく、今後、内政が停滞する可能性もある。
ネタニヤフ政権は今回で4期目。ネタニヤフ首相が外相を兼務し、極右政党「ユダヤの家」からは、ベネット党首が教育相、副党首格のシャケッド氏が法相にそれぞれ就いた。ベネット氏とシャケッド氏は安全保障閣議に参加することができ、同党の影響力が安保政策にも及びそうだ。
新内閣の議席数は61議席で、国会定数120議席の半数を辛うじて上回るにすぎない。連立与党から議員が一人でも造反すれば過半数を維持できず、「ネタニヤフ首相が政権を維持するのは非常に苦しい」(地元紙イディオト・アハロノト)との指摘もある。
イスラエルはパレスチナへの強硬姿勢を強め、和平交渉は暗礁に乗り上げている。イスラエル新政権の外交姿勢はこれまでよりも強硬になるとみられ、和平交渉再開の糸口は見えない。
13日にはローマ法王庁(バチカン)がパレスチナ国家の樹立を承認する協定をパレスチナ自治政府と締結する意向を示したばかり。イスラエルは対パレスチナ強硬姿勢で国際的に孤立した状態にあり、新政権にとってはいかに孤立から抜け出すかが外交課題となる。