【北京=島田学】中国の李克強首相は15日午前、北京の人民大会堂で訪中したインドのモディ首相と会談した。中国主導で創設するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の運用を巡り、中印両国が連携して南アジアの発展に向けて協力を強化していくことで一致する。両国企業による総額100億ドル(約1兆1900億円)規模の事業協力でも合意する見通しだ。
中国の李克強首相(写真(左))と共に歓迎式典に臨むインドのモディ首相(15日午前、北京の人民大会堂前)
会談では、中国がインドでの高速鉄道や工業団地の建設など経済協力を深めていくことを確認する。中国が対印投資をさらに増やし、約400億ドルに上るインドの対中貿易赤字の是正につなげたい考えだ。
両国民の交流促進のため、インドが中国人観光客向けに観光査証(ビザ)の電子申請を解禁することでも合意する。中印両国が長年抱える国境問題では、立場の違いを適切に処理し、話し合いを通じて解決していく方針を確認する。
モディ氏の訪中は就任後初めて。14日には習近平国家主席と習氏の本籍地である陝西省の省都、西安で会談した。李氏との会談後に上海に移り、中国企業幹部らとも会談する予定だ。16日からはモンゴルと韓国を訪問し、19日に帰国する。