パナソニックは21日、高価格帯の家電製品を拡充し、3機種を7月から順次発売すると発表した。体に負担をかけず衣類を出し入れできる洗濯機、少量でもおいしく炊ける炊飯器など機能にこだわった。昨年から販売する掃除機などが好評なため、高価格帯のシリーズ全体の販売計画を1年前倒しして2015年度に売上高500億円を目指す。
拡充するのは「Jコンセプト」シリーズ。7月15日に発売する縦型洗濯機は身長の低い高齢者でも取り出しやすいよう洗濯槽の底を浅くした。衣類の投入口の面積を同社の従来品より14%大きくしたほか、操作パネルの文字も見やすくした。
炊飯器はシニアの好みにあわせ、少量でもおいしく炊けるようにした。薄く軽いアルミ材料を使い、高級感のある外観に仕上げた。オーブンレンジは様々な和食メニューに対応し、焼き物と煮物を同時に調理できる。
価格はオープンだが、店頭想定は洗濯機が18万円前後、炊飯器が7万円前後、オーブンレンジが8万5000円前後。日本で生産する。
パナソニックは昨年秋、Jコンセプトの第1弾として軽い掃除機や冷蔵庫などを発売し、販売数量は当初計画を10%上回る水準で推移している。「50~60代のお客に受け入れられている」(日本地域コンシューマーマーケティング部門コンシューマーマーケティングジャパン本部副本部長の原昭一郎氏)という。
質の高い商品を求めるシニア以外の顧客にも訴求する考えだ。18年度にはシリーズの売上高で1000億円、同社の国内家電販売に占める比率で1割を目指す。