日銀の白井さゆり審議委員は3日午前、津市内で開いた金融経済懇談会であいさつし、金融政策について「現状の資産買い入れ額を当面維持することが適当だ」と述べ、昨年10月に強化した量的・質的金融緩和の継続を訴えた。物価の基調が崩れるようなら「金融政策による対応を検討する余地がある」としつつ「現時点ではそのような蓋然性は低い」と述べた。
同委員は4月30日の金融政策決定会合で、日銀が目標とする2%の物価上昇率の達成時期について、従来の「2015年度を中心とする期間」から「16年度を中心とする期間」に修正するよう提案。だが同決定会合で決めた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」は、達成時期を「16年度前半ごろ」とした。
これに関し白井委員は「幅をもった表現が適切だ」と指摘。自身の主張よりも幅の狭い達成時期のメドについて「金融政策の柔軟性を弱める可能性がある」と主張した。