【北京=大越匡洋】中国国家統計局と中国物流購入連合会が1日発表した6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.2と、前月と同じだった。景気判断の節目となる50は4カ月連続で上回ったが、政府の相次ぐ景気下支え策にもかかわらず、景況感が改善する動きは鈍い。統計局は「企業の成長力が不足し、国内外の需要はなお弱含んでいる」と指摘した。
PMIは製造業3千社へのアンケート調査をもとに算出し、受注や生産などについて50を上回れば拡大、下回れば縮小を示す。景気の先行きを示す新規受注指数は50.1と、前月より0.5ポイント低下した。輸出に限った新規受注指数は48.2と節目の50を下回っている。中国は相次ぐ金融緩和などで景気の下支えを強化しているが、目立った効果が出ていない。
生産指数は52.9と、前月から横ばいだった。中国国務院発展研究センターの張立群研究員は「ギリシャ問題など世界経済を巡る変数も増えており、(政府は)景気を安定させるための措置をこれまで以上に着実に実施すべきだ」と指摘した。