日銀が2日発表した「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年後の物価上昇率の予想は平均で4.8%と前回3月調査と同じだった。5年後の物価上昇率は3.9%と前回調査より0.1ポイント低下。日銀は強力な金融緩和を続けているが家計の物価見通しは加速する状況に至っていない。
5~6月に4千人を対象に調査し、54%から回答を得た。5年後に物価について「かなり上がる」との答えたのは26%、「少し上がる」は58%だった。日銀が異次元緩和を導入する直前の2013年2~3月の調査ではそれぞれ28%、54%だった。異次元緩和から2年あまりが過ぎたが、この調査からは家計の物価見通しに明確な変化は出ていない。
日銀が同日公表した6月の企業短期経済観測調査(短観)の企業の物価見通しでは、3年後の物価上昇率は1.5%と前回3月調査から0.1ポイント低下した。5年後の見通しは1.6%と前回調査と同じだった。