特別養護老人ホーム「いずみ熊谷」(埼玉県熊谷市)で昨年12月、40代の男性介護職員が、入所者の女性(当時88)に誤って別の入所者の薬を飲ませ、女性がその後、誤嚥(ごえん)性肺炎で死亡していたことが4日、県への取材で分かった。県警は業務上過失致死の疑いで調べている。
この施設では昨年3月、通常の食事が難しい男性(当時84)に誤って他の入所者と同じメニューを配膳し、男性が喉を詰まらせ、その後誤嚥性肺炎で死亡する事故があったことも判明。これらの県への報告も怠っていた。
県によると、昨年12月19日の朝食時、別の入所者が服用しているパーキンソン病の治療薬を職員が取り違えて女性に服用させた。約1時間半後に嘔吐(おうと)し、市内の病院に搬送されたが、22日に死亡。死亡診断書では、薬の副作用で嘔吐した可能性が高いという。
また、昨年3月21日、男性に食べやすいようにちらしずしを配膳する予定だったが、いなり寿司を与え、男性は約1カ月後に誤嚥性肺炎で死亡した。〔共同〕