民事訴訟の判決文を偽造して依頼主に渡したとして、大阪地検特捜部は30日までに、大阪弁護士会所属の弁護士、白井裕之容疑者(59)=住所不定=を有印公文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。特捜部は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は2014年9~10月、大阪府の建設会社から提訴の依頼を受けた損害賠償請求を放置し、発覚を免れようと訴訟の判決文を偽造し、同社に渡した疑い。
白井容疑者の対応を不審に思った建設会社側が今年4月、別の弁護士に調査を依頼し、提訴されていなかったことが判明した。大阪地裁・高裁が6月、容疑者不詳で大阪地検に告発していた。
建設会社は、白井容疑者に総額約1700万円の着手金や顧問料をだまし取られたとして、損害賠償を求める訴訟を起こしており、大阪地裁で係争中。