【カイロ=共同】イスラム教最大の聖地、サウジアラビア西部メッカ近郊で大巡礼(ハッジ)に訪れた多数の信者が折り重なって死亡した9月の事故をめぐり、AP通信は8日、犠牲者が出た各国の当局発表や報道に基づく集計として、死者はサウジ当局の発表を大幅に上回り、少なくとも1313人に上ると報じた。
依然として計数百人が行方不明で、最終的な犠牲者は、1990年に1426人の巡礼者が死亡した過去最悪の事故に並ぶ可能性が出ている。
サウジのファリハ保健相は事故後、死者数を769人、負傷者数は934人と発表した。サウジ当局は死傷者数を更新するとしていたが、いまだ公表されていない。
国別の死者はイランが最大の465人。イランではサウジを批判する声が高まり2国間関係が緊張している。APの集計によると、エジプトの148人、インドネシアの120人、パキスタン89人と続く。
事故は9月24日、メッカ近郊の「ミナの谷」の交差点で発生した。巡礼最終日の主要儀式である「石投げ」に向かう人の波と、儀式から戻る人の波がぶつかり合ったとされる。