【ニューヨーク=平野麻理子】8日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は5日続伸した。終値は前日比138ドル46セント(0.8%)高の1万7050ドル75セントで、約1カ月半ぶりに1万7000ドル台を回復した。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、世界経済の減速に対する参加者の懸念が明らかになると、金融緩和策がしばらく続くとの期待感から買いが膨らんだ。
ダウ平均の5日続伸は今年に入ってから最長。米連邦準備理事会(FRB)が8日発表したFOMC議事要旨では、中国など新興国経済の減速が米経済に影響を与える可能性が指摘された。FOMC参加者の大半は年内利上げを適切とみているが、市場では早期の利上げ観測が一段と後退。緩和マネーの流入が続くとの見方から買いが優勢になった。
原油先物相場の上昇で、エネルギー関連株が買われたこともダウ平均を押し上げた。8日のニューヨーク市場では原油先物相場が反発し、指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近11月物)は前日比1.62ドル高の1バレル49.43ドルで取引を終えた。ロシアのシリアでの軍事行動で、中東の地政学リスクが高まっていることが主因。一時50ドル台に乗せ、期近物では2カ月半ぶりの高値をつける場面もあった。