【NQNニューヨーク=古江敦子】9日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前日比0.20ドル高の1バレル49.63ドルで終えた。朝方に50.92ドルと、期近物として7月21日以来約2カ月半ぶりの高値を付けた。中東の地政学リスクが相場を支えたほか、米国の減産傾向を好感する買いが入った。
米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが同日午後に発表した週間の掘削設備(リグ)の稼働数統計で、米国の油田開発に使うリグ稼働数が6週続けて減り、2010年7月下旬以来ほぼ5年2カ月ぶりの低水準になった。「需給の緩みが解消に向かうとの観測が広がり、新規の投資資金が流入した」(トラディッション・エナジーのジーン・マクギリアン氏)との声が聞かれた。
ロシアによるシリア領域での軍事行動が、中東原油の供給不安につながっている。「地政学リスクがくすぶっており、WTIは取引範囲が45~50ドル台前半に切り上がった」(フューチャーパス・トレーディングのフランク・レシュ氏)との指摘があった。
ガソリンは続伸。ヒーティングオイルは反落した。
金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である12月物は前日比11.6ドル高の1トロイオンス1155.9ドルで終えた。一時は1159.3ドルと、中心限月として8月24日以来、約1カ月半ぶりの高値を付けた。外国為替市場でドルがユーロに対して下落し、ドルの代替投資先とされる金に資金が流入した。
中東情勢の緊迫も、リスク回避目的で買われやすい金の買いを促した。
銀は反発。プラチナは6日続伸した。