証券取引等監視委員会は23日、携帯電話販売の光通信の子会社によるTOB(株式公開買い付け)を巡り、他人に利益を得させる目的で未公表の重要情報を伝えたとして、東京在住の60代の男性会社員に課徴金25万円を科すよう金融庁に勧告した。金融商品取引法が禁じる未公表の重要事実の伝達違反による勧告は初めてになる。
監視委によると、男性は2014年11月、光通信の子会社が保険業のウェブクルーに対して実施するTOBを事前に知り、元同僚で東京在住の30代の女性会社役員に伝えた。女性はこの情報を基に、TOB公表前にウェブクルー株を買い付けた。
監視委は女性についてもインサイダー取引で課徴金51万円を科すよう金融庁に勧告した。
14年4月に施行した改正金商法では、他人に利益を得させる目的で未公表の重要情報を伝えることを禁じている。
また、監視委は23日、東邦銀行株を巡って相場操縦をしたとして、福島県在住の80代の男性会社役員に課徴金1517万円を科すよう金融庁に勧告した。