曙ブレーキ工業(7238)の荻野好正副社長は4日、2015年4~9月期に不適切な会計処理がなされた可能性があるとして開いた記者会見で「同日予定していた決算発表ができず申し訳ない」と陳謝した。同社によると、補修品営業部門の代理店向けの取引の計上時期が不適切になされて9月に2億1000万円の過大な売り上げが発生したという。荻野副社長は、「他にも同様の不適切会計があった可能性がないとはいえない」として問題のさらなる広がりがないか調査する意向を示した。
今回の問題は監査法人からの指摘で発覚した。荻野副社長によると、不適切会計が起きたことについて「営業部門が9月の成績をどうしても上げたいという思いで売り上げを前倒しで計上したのでは」と話し、不適切会計が常態的に行われていた可能性は否定した。
ブレーキは不適切会計問題を受けて弁護士で社外監査役の本間通義氏を委員長とする調査委員会を設置。荻野副社長は「他の取引でも同様の不適切会計がないか、過年度についても確認する」とした。1カ月程度で調査を終え、延期した4~9月期の決算発表を12月中旬までに行う考えだ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕