原発事故後、観光客の減少が続く福島県伊達市は19日、「新世紀エヴァンゲリオン」などで著名なアニメ企画・制作会社、ガイナックス(東京都三鷹市)の子会社、福島ガイナックスと共同で市をPRするアニメを制作することを明らかにした。
戦国の武将、伊達政宗が連なる伊達氏の発祥の地で、初代朝宗が地名から伊達姓に改めた史実がありながら認知度が極めて低いことから、アニメで新しい政宗像をつくり、国内外に伊達市の存在を発信する。
制作は福島ガイナックスが担当、制作費約2千万円は同市が負担する。アニメ名は「政宗ダテニクル」。15歳の政宗が初陣に際し市内の伊達氏ゆかりの梁山八幡神社で必勝祈願すると氏神の竜が現れ、16枚の絵札を手に入れる。17代の政宗の前の歴代当主16人を現世に復活させ、戦国時代を戦うといったストーリー。「(観光客が)伊達に来る」という意味も重ねた。
アニメは15分番組を22本制作。来年3月に完成、4月から市内での試写会やインターネット配信などで上映を始める。ガイナックスでは国内各地を題材にしたアニメ制作を「きらりなワンダープロジェクト」として企画し、伊達市はその第1弾。浅尾芳宣・福島ガイナックス社長は「来年4月以降、海外でのアニメフェアにも出展する。アニメを見て世界各地から伊達市を訪れてくれることを目指す」などと抱負を語った。