【NQNニューヨーク=神能淳志】連休明け28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落した。クリスマスの祝日前24日と比べて23ドル90セント(0.1%)安の1万7528ドル27セントで終えた。原油価格の下落や世界的な株安が嫌気されて米株式相場の重荷となった。ただ、年末が近いほか、新たな売り材料も乏しかったため、下値を探る動きは限られた。
朝方から米株式には売りが優勢だった。28日のニューヨーク原油先物相場は1バレル36ドル台後半に反落した。業績への悪影響が懸念されてシェブロンやエクソンモービルなどの大手石油株が売られ、ダウ平均を押し下げた。
中国・上海や欧州主要国などの株価指数が下げたことも投資家心理を悪化させた。前週に大きく上昇していた米株式には目先の利益を確定させる動きが広がり、相場の重荷となった。
取引終了にかけてダウ平均は下げ幅を縮めた。年末が近いとあって市場参加者が少ないほか、この日は主要な米経済指標の発表もなく取引材料に欠いた。次第に持ち高調整を目的とした買い戻しが増え、相場を支えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も小幅に続落し、24日と比べて7.507ポイント(0.1%)安の5040.985で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち6業種が下落した。「エネルギー」や「素材」などが下げた。一方で「一般消費財・サービス」や「公益事業」などが上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億1000万株(速報値)、ナスダック市場は約12億8000万株(同)だった。
カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルが安い。マイケル・ピアソン最高経営責任者(CEO)が重度の肺炎で入院したと発表し、経営の先行き不透明感を警戒した売りが膨らんだ。
経営体制の刷新を発表した鉱業大手のフリーポート・マクモランも急落。建機のキャタピラーやアップル、クレジットカード大手アメリカン・エキスプレスなども下げた。
一方で、インターネット小売り大手のアマゾン・ドット・コムが高い。年末商戦終盤の1週間で有料の新規会員が300万人超増えたと発表し、業績の先行きを期待した買いが入った。
人気SF映画「スター・ウォーズ」シリーズの最新作の興行収入が史上最速で10億ドル(約1200億円)に達したと発表したメディア大手のウォルト・ディズニーも買われた。スポーツ用品のナイキや航空機のボーイングなども上げた。