衆院は8日午前の予算委員会で、2015年度補正予算案に関する基本的質疑に入った。17年4月の10%への消費増税時に導入する軽減税率の財源をめぐり、麻生太郎財務相は「今の段階で軽々に言えない」と述べた。酒類と外食を除く飲食料品の税率を8%に据え置くには1兆円の財源が必要とされる。現時点でそのメドは立っておらず、与野党間で今後も議論を呼びそうだ。
安倍晋三首相は、15年度補正に盛り込んだ所得の低い高齢者への1人3万円の臨時給付金を巡り野党の「バラマキ」批判に反論した。「企業が最高益を上げても年金生活者に分配は来ない。給与生活者とは大きな差があり、アベノミクスの果実でこの差を埋めるべきだと考えた」と述べた。ともに自民党の新藤義孝氏への答弁。
同日の予算委では、おおさか維新の会が冒頭から出席を拒否する騒動があった。同党への質問時間の一部を与党側が拠出したことに抗議した。政策ごとに賛否を判断する「是々非々」路線を取るおおさか維新を、民主党は「野党ではない」と突き放すなど場外戦が続いている。