日本商工会議所がまとめた中小企業の賃金動向調査によると、2015年12月時点で15年度中に賃上げを実施、または実施予定だと回答した企業は55.6%だった。9月調査に比べ4.3ポイント減少した。中国経済の減速や日本国内の景気に足踏み感がぬぐえない中、賃上げに消極的になった企業が出てきたようだ。
全国約3千社が対象。日商は14年度以降3カ月ごとに同様の調査を実施しているが、賃上げ企業の割合が減ったのは初めてだ。賃上げを見送るとの回答は23.6%。「現時点では未定」との回答は20.8%に達し、9月調査の7.4%から大幅に増えた。「売り上げが伸び悩んでいるため難しい」(都内の酒類販売業)、「人材確保のため何とかしたいが、賃上げの余裕はそれほどない」(愛知県の陶磁器製造業)との声が出ている。
賃上げした企業にその方法を複数回答で聞いたところ、定期昇給が79%で最も多く、給与を一律に底上げするベースアップ(ベア)は32%にとどまった。