出光・昭和シェルの合併計画と創業家の動き
石油元売り国内2位の出光興産と5位の昭和シェル石油は13日、来年4月を予定していた合併を延期する、と発表した。出光の大株主である創業家が反対を続けており、間に合わせるのは難しいと判断した。合併の方針は両社とも変わらないが、時期は「未定」。創業家説得に向けた有効な手立てはみえず、先行きは一段と不透明になっている。
「経営統合は最適で最善の策と確信している。残念ながら大株主の創業家の同意が得られておらず、建設的に進められる環境にない」。出光の月岡隆社長は、昭和シェルの亀岡剛社長とともに臨んだこの日の記者会見でこう説明した。
両社は来年4月1日に合併する計画だったが、そのためには年内に臨時株主総会を開いて合併の承認を得る必要がある。月岡氏は「スケジュールが物理的に難しくなった」と、総会を延期する考えを示した。一方で、合併の前段階として、出光が英オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル株の33・3%を買い取る計画は「現時点で変更はない」とした。
合併の時期を「未定」としたことについて、月岡氏は「創業家へのメッセージ」とし、今後も説得を続ける考えを強調。「説得に2年も3年もかけない」と語り、「1年以内」の決着を目指す考えを示した。
両社の社長が並んで記者会見す…