与野党の幹事長・書記局長は１日午前、国会内で会談し、甘利明前経済財政・再生相の辞任を受けて遅れている2016年度予算案の審議日程を協議した。その結果、２日にも衆院本会議を開き、後任の石原伸晃経財相による所信を聴取することで一致し、野党側はこれを条件に予算案審議に応じる意向だ。与党は３日の基本的質疑入りを目指す。

自民党の谷垣禎一幹事長は会談で「今の経済情勢は不透明だ。一日も早く予算審議に入る必要がある」と指摘した。甘利氏の辞任に伴い、野党側が石原経財相による経済演説のやり直しを求めたことに配慮。衆院本会議で石原経財相の所信を聴取するとともに、野党側からの質問も受け付けることにした。安倍晋三首相も出席する。

甘利氏の金銭授受問題に関しては、甘利氏が記者会見で説明した計600万円の授受以外に、千葉県の建設会社側から900万円超を元秘書に渡したと一部で報じられた。野党側は「甘利氏が辞めても幕引きにはならない」として、なお追及を続ける考え。谷垣氏は会談で「まずは調査の行方を見守る必要がある」と述べるにとどめた。

これに関連して、都市再生機構（ＵＲ）は１日午前、民主党が国会内で開いた調査特命チーム会合に出席し、東京地検特捜部からＵＲ職員への任意の事情聴取に応じるよう要請があったことを明らかにした。