似通った色の「青」と「緑」の違いを、赤ちゃんが脳で認識していることを実験で確かめたと、中央大などのチームが8日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
色の違いは言語や文化の習得によって見分けられるようになるという心理学や言語学などの有力な仮説を覆す成果という。山口真美・中央大教授(認知心理学)は「人間は生まれつき、ある程度の色の認識ができることを初めて証明した」と話している。
チームは生後5~7カ月の乳児12人に、色の付いた四角や丸を描いたスライドを見せ、頭部に着けた装置で脳の血流を測定した。
鮮やかさや明るさなどにより色合いが異なる2種類の緑を順番に見せたところ、色を認識する働きがある脳の側頭部の血流に変化は見られなかった。一方、緑と、緑と似通った青を見せたときは、側頭部の血流が増え、脳活動が高まった。色を見分けていることを示すという。
大人の実験でも脳の活動は似た反応となった。チームは言葉の有無にかかわらず、色の見分け方は同じだろうと推測している。〔共同〕