消費者庁は2日までに、「名簿屋」と呼ばれる名簿販売業者の初の実態調査結果を公表した。取り扱う個人情報は主に冊子と電子データの形式で、最大で延べ3億人分の電子データを保有する業者もいた。
ベネッセコーポレーションの顧客情報が複数の名簿業者を通じて流出した問題などを受けた調査。15業者に協力要請し、応じた8業者に昨年8~9月にヒアリングした。
冊子は高校や大学の同窓会、医師会やゴルフクラブの会員、町内会などの名簿で、約1万5千冊を扱う業者もあった。電子データは1業者当たり延べ3億~6千万人分を保有していた。
主な入手先は古書店や廃棄物回収業者、個人など。ベネッセの流出情報約800万件を16万~5万円で買い取るよう持ち掛けられた名簿業者もあった。
買い取り価格は冊子が1冊3万~7千円、電子データは1件約0.1円~50円。販売時の価格は約2倍になる。販売先は不動産、健康食品、化粧品、宝飾品、新成人向け呉服、学習塾、自動車教習所の関連業者などが目立った。
ほとんどの名簿業者は売り上げが年々減少しており、消費者庁はプライバシー意識の高まりや相次ぐ情報漏洩などで「新たな名簿の入手や、保有する情報の鮮度の維持が困難となり、需要が減っている」と分析する。
〔共同〕