未明の大きな揺れで公園に避難し、夜が明けるまで待つ人たち=16日午前5時37分、熊本市中央区、青山芳久撮影
菅義偉官房長官は16日早朝、政府の地震非常災害対策本部会議後に首相官邸で記者会見を開いた。16日未明に発生した熊本県を震源とする地震について、「各地で火災が発生し、閉じ込め53件、生き埋め23件、家屋の倒壊、トンネルの崩落などが発生している。広い範囲で甚大な被害が発生している」と述べた。
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菅氏は、対策本部会議の前に熊本県の蒲島郁夫知事から「被害が熊本市から天草、阿蘇に拡大している。広域緊急援助隊の規模を3倍程度に拡大してほしい」などと要請を受けたと説明した。
これを受け、政府は2千人態勢で活動している自衛隊を16日中に1万5千人に、17日以降は最終的に2万人に増強する方針を明らかにした。さらに、警察についても全国から1千人を追加派遣して2800人態勢に、消防は現在1337人態勢で活動しているが、さらに1338人を追加派遣するという。
人的被害については「未確認だ。情報は収集しているが、何人かということは、まだ掌握していない」と述べた。安倍晋三首相が16日に予定していた被災地の視察を中止した理由については「こちらで指揮にあたってもらうのが最善だという判断をした」と語った。