元航空幕僚長・田母神俊雄容疑者(67)らによる公職選挙法違反事件で、田母神容疑者が側近の男性に渡す金額の決定に関与した疑いがあることが関係者の話でわかった。動画配信サイトには2年前の東京都知事選の期間中、この男性が田母神容疑者と街頭を練り歩く様子が投稿されている。公職選挙法が禁じた運動員の買収にあたる疑いがあり、東京地検特捜部が裏付け捜査を進めている模様だ。
田母神・元空幕長を逮捕 選挙運動員に現金配った疑い
特捜部は14日、田母神容疑者と元選挙対策本部事務局長・島本順光容疑者(69)がこの男性を含む運動員5人に計280万円を渡したなどの疑いがあるとして逮捕した。
関係者によると、男性は元航空自衛隊員で田母神容疑者の側近。島本容疑者が作成した現金配布リストには男性への配布額が「100万円」と指定されていたが、実際には200万円が渡されたという。
一方、動画配信サイト「ユーチューブ」に配信された選挙期間中の映像では、この男性が田母神容疑者を街頭で誘導する様子が映っていた。男性は公選法で現金の支払いが認められる運動員の届け出はなかった。
田母神容疑者は逮捕前、男性に200万円を支払ったことを認めたうえ、「(男性に)お礼を言われたので、『増額しといてやったから』と言った」と語っていた。
関係者によると、田母神容疑者は特捜部の調べに対し、「現金配布の指示や了解はしていない」と容疑を否認。島本容疑者は「現金配布に田母神氏の了解はあったが、配布した相手は運動員ではない」と否認しているという。