17番でバーディーパットを決めた野村敏京=AP
(24日、米女子ゴルフ・スウィンギングスカート・クラシックで優勝)
2位に1打差と詰め寄られていた12番(パー3)。野村敏京(はるきょう)が放ったバーディーパットは、スライスラインを描いてカップに沈んだ。20メートル以上もあった。何度も拳を握り、「私、きょう優勝だと思った。入っちゃった、という感じ」。中盤の試練を抜け出した瞬間だった。
4日間で一番の強風が吹きすさぶ最終日に、3打差の単独首位でスタート。多くの上位選手がスコアを落とした1、2番をパーでしのぎ、3番(パー3)では第1打を50センチ弱につけるスーパーショット。バーディーを先行させ、この時点で2位に5打差をつけ、序盤で勝負ありと映った。
ところが、徐々にショットが風に流され、7番からの3連続ボギーなどでじりじりと後続に迫られた。しかし「みんな条件は同じと思い、緊張はしなかった」。しっかり立て直し、4打差で最終18番を終えた。
今季は開幕戦から連続で上位を争い、3戦目で初優勝。4戦目も5位と目覚ましい成長ぶりを披露したのが2カ月前だった。「次はメジャー大会の優勝を狙っていく」。確かな実力を証明した野村の言葉に説得力があった。(時事)