楽天に勝利し、喜ぶ日ハムの選手たち=福留庸友撮影
(3日、プロ野球・日本ハム2―0楽天)
大谷翔平、不安吹き飛ばす投手デビュー
まさかの本拠3連敗から中1日。日本ハムが、満員の敵地で今季最初の白星を手にした。
リズムを作ったのは投手陣だ。先発の上沢は一回1死三塁のピンチを背負うが、3番ウィーラーは直球で見逃し三振、4番のアマダーは外へのスライダーで遊ゴロに仕留める。六回1死一、二塁では、再びアマダーに外角低めのスライダーで勝負を挑んだ。「足の遅い打者だったので、三振よりゲッツーが欲しかった」。思惑通りの三ゴロ併殺でしのいだ。
7年目の右腕が7回無失点と好投すると、八回に登板した11年目の宮西も1死三塁を背負いながら後続を断つ。直後の攻撃で打線が2点を奪い、最後は4年目の石川直が相手の中軸を三者凡退に抑えて試合を締めくくった。
今季は、投打の軸だった大谷が大リーグ・エンゼルスに移籍。守護神の増井もオリックスにフリーエージェントで移り、チームは骨格の再構築を強いられている。さらに、エース候補の有原や抑えを任せるはずだった鍵谷がけがで出遅れ。開幕カードは3試合で計22失点と台所事情の苦しさが如実に表れる結果となった。
仕切り直しを誓った一戦で、楽天打線の不振という「援護」があったとはいえ、今季初の零封リレーが完成したのは朗報。投手陣をたたえつつ、栗山監督は「勝ったと言っても、まだ負け越している。自分たちの形をつくって、前に進む」と表情を引き締めた。(松沢憲司)
○レアード(日) 九回にチェンジアップを捉え、決勝の2点二塁打。「狙っていた。打ち損じないようにと思った」
○石川直(楽) 九回を無失点に抑え、プロ初セーブ。「今季最初の勝ち試合でセーブを挙げられて、自信になる」
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●梨田監督(楽) 「岸は十二分に責任を果たしてくれた。野手が頑張ってくれないと」。無得点の打線にため息。