他の陸上部員と一緒に練習する1年の三須穂乃香(左から2番目)と4年の辻沙絵
2020年のパラリンピック東京大会に向け、障害のあるトップアスリートの育成に日体大が乗り出した。昨年末に陸上部に「パラアスリート部門」を創設し、今春から本格的に始動。一般大学の体育会が、障害のある選手を専門的に育てることは全国でも珍しい。新入部員が加わり、未来のメダリストを生み出す計画が動き始めた。
横浜市の日体大陸上競技場。健常者の部員が走る横で、右手に義手をつけた女子選手が走り始めた。
「上体が前に行き過ぎ」「つま先を下げない!」
監督の熱のこもった指導を受けるのは、1年生の三須(みす)穂乃香(18)。昨夏の日本パラ陸上選手権100メートル(片前腕切断など)でマークした13秒11の日本記録が評価され、一般のスポーツ推薦で入学した。「練習の意味や効果まで教えてくれるので、納得して打ち込める」。新潟県立村上高では一般の陸上部に所属。練習場は土のグラウンドで、専門的に指導してくれるコーチはいなかっただけに、技術を磨ける場をもらえたことを喜ぶ。