幹部による横領が発覚した日本ラクロス協会の事務所=東京都中央区
北米発祥のスポーツで、国内に約1万7千人の会員がいるラクロスの統括団体「日本ラクロス協会」(本部・東京都中央区)の専務理事だった40代の男性が、協会の運営費約1千万円を横領したとして、4月2日付で懲戒解雇されていたことが5日、協会関係者への取材でわかった。同協会の木村博理事長も監督責任をとり、4月2日付で辞任した。
協会関係者によると、男性は2014年春ごろから約1年半にわたり、協会の運営費を個人名義の海外送金用口座に複数回にわたって移し、横領したという。男性は私的流用を認めているといい、協会は弁護士を通じて全額を男性から回収した。ほかに不正は見つからなかったとし、刑事告訴は見送る方針。
同協会は1987年に設立。今年度末をめどに、任意団体から一般社団法人への移行を目指している。今回の横領は、その過程の外部監査法人の調査で発覚した。男性は協会設立当時からの中心メンバーで、経理と人事を一手に担っていたという。関係者は、「ラクロスをここまで普及させたのは彼の功績だった」と話している。
同協会は5日、ホームページ上で、「応援いただいている皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけした」とする謝罪文を新理事長名で掲載した。