英国の欧州連合(EU)離脱を問う23日の国民投票をめぐり、トヨタ自動車は9日、離脱支持派のパンフレットに同社のロゴマークが無断で使われ、離脱派を支持しているとの誤解を招きかねないとして、無断使用に対して法的措置を検討する、との声明を出した。
離脱支持派の公式団体「ボート・リーブ(離脱に投票を)」のパンフレットでは、トヨタや日産自動車、仏エアバスなど国際的な企業のロゴマークとともに、「国民投票でどんな結果になっても、みんな英国にとどまると言っている」などと紹介されている。
英紙フィナンシャル・タイムズは1月、国民投票で離脱になってもトヨタは英国で車の生産を続けるという趣旨の発言をしたとする豊田章男社長のインタビュー記事を掲載。こうした記事などを受け、離脱支持派は、離脱しても雇用への影響は限られていると訴える狙いで掲載したとみられる。トヨタは2月、「英国のEU加盟の継続が、事業運営や長期的な競争力の点で最適だ」との声明を発表している。(ロンドン=寺西和男)