九州電力川内原発=鹿児島県薩摩川内市
九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が新規制基準を満たすとした設置変更許可をめぐり、鹿児島や熊本などに住む市民ら33人が国の原子力規制委員会を相手に、許可の取り消しを求める訴訟を福岡地裁に起こす。弁護団が10日に訴状を郵送し、都内で発表した。
特集:川内原発
同原発の運転差し止めを求めた仮処分申し立てで福岡高裁宮崎支部は4月、「規制委が原発周辺の火山の噴火の時期や規模を、事前に予測できることを前提としているのは不合理」と指摘しながら、差し止め自体は認めなかった。
住民側は訴状で、この決定を引用。「火山の影響についての判断に多くの過誤、欠落があるのに、設置変更許可を出したのは違法だ」と訴えている。
弁護団の甫守(ほもり)一樹弁護士は、「宮崎支部決定は噴火の極めて深刻な影響を認めながら原発は止めなかった。焦点を火山の影響に絞り、改めて裁判所に是非を問いたい」と話した。
原子力規制委員会は「訴状が届いていないため、コメントは差し控えたい」としている。