米フロリダ州オーランドのナイトクラブで12日に起きた銃乱射事件の現場。警察は、男は銃撃戦で死亡する前、客で混み合う未明の店内で発砲したと述べている=AP
大勢の客でにぎわっていた未明の店内に響き続ける銃声と悲鳴。米フロリダ州の同性愛者向けナイトクラブで12日に起きた銃乱射事件は、死者が50人に達する惨劇となった。警察との銃撃戦の末に死亡した容疑者の男は「同性愛者を嫌悪していた」ともされる。繰り返される銃犯罪に衝撃が走る。
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■従業員「音楽の一部かと」
午前2時過ぎ。ナイトクラブ「パルス」で大音量の音楽が流れる中、銃撃が始まった。
2時9分、パルスのフェイスブックにメッセージが書き込まれた。
「みんな、パルスから外に出て、走り続けて」
バーで働いていたルイス・ブルバノさんは「パッパッパッパッという4発の銃声。最初は音楽の一部と感じた。従業員専用の狭い通路に20~30人が殺到した」とCNNに証言した。逃げるのにかかったのは2分ほどという。
「銃声と同時に悲鳴が重なり、次々と人が倒れた。銃声は止まらない、バンバンバンバンと」。現場にいた男性は米メディアの取材に話した。
被害の様子はソーシャルメディアでも伝わった。
ダニエラ・ボリバールさん(26)は、パルスの中にいた友人のアマンダ・アルベアさんがスナップチャットに投稿したビデオを見た。9秒間のビデオで12回も銃声が聞こえた。投稿の後、アルベアさんとは連絡がつかないという。
午前3時40分ごろにツイッターに投稿されたビデオでは、多数の警察官や救急隊が現場近くに集まり、地面に横たわる人たちや手当てを受ける様子が映された。別の男性は担架で運ばれる人のビデオに「私は大丈夫だけど、友達が撃たれた。こんな多くの血や混乱を見たことや、恐ろしかったことはない」と説明をつけた。
警察がナイトクラブを囲むなか、トイレなどに客が隠れていることが明らかになった。USAトゥデー紙によると、テキストメッセージなどを通じて、数人が人質になり、他の場所でも15~25人が残っていることが分かったという。