「パルス」の見取り図
米史上最悪の銃撃事件は、米国で生まれ育ち、過激派に影響を受けた「一匹おおかみ」による犯行の可能性が強まった。殺傷力の高い銃を持った単独犯による犯行を、事前に阻止することは可能なのか。銃の規制、イスラム過激派対策、性的少数派の権利……。テロ事件は、米国の抱える様々な難題を改めてさらけ出した。
米国史上最悪の銃撃事件に フロリダ乱射、50人死亡
米連邦捜査局(FBI)などによると、事件はオマル・マティーン容疑者(29)の単独犯とみられる。1人の容疑者によって、100人以上が死傷したことになる。
乱射が始まったのは12日午前2時すぎ。オーランド市警によると、現場となったナイトクラブ「パルス」で警備にあたっていた警察官が発砲に反応した。撃ち合った後、マティーン容疑者はナイトクラブのさらに奥に入って断続的に銃を乱射、人質事件に発展したという。午前2時9分にはパルスのフェイスブックに「みんな、パルスから外に出て、走り続けて」と書き込みがあった。
警察によると、マティーン容疑者は「突撃銃」と呼ばれる半自動ライフルや、短銃などを所持していた。米国では、こうした半自動ライフルは広く普及している。30発の銃弾を装塡(そうてん)できる大型の弾倉も容易に購入できる。