帰国したひつぎに献花するバングラデシュのラバブ・ファティマ駐日大使=5日午前6時59分、羽田空港、西畑志朗撮影
曇り空の早朝、バングラデシュの発展に尽力した7人が無言の帰国をした。ダッカの襲撃事件から4日。親は志半ばで亡くなった娘の無念を思い、亡き父の姿に息子は涙を流した。日本に暮らすバングラデシュ人たちは「申し訳ない」と肩を落とした。
特集:ダッカ襲撃事件
亡くなった下平瑠衣さん(27)の埼玉県内の実家には5日午前11時ごろ、両親と姉が帰宅した。
家族は「突然の別れがまだ信じられない状況です。日本人の犠牲者は、バングラデシュの発展のため日々努力していました。微力ながら志を持って尽力してきた娘に誇りを持っています。志半ばでこのようなことになり、娘も無念でならないと思います」などとするコメントを県警を通じて出した。
亡くなった小笠原公洋さん(56)が勤めていた「片平エンジニアリング・インターナショナル」(東京都中央区)の君島正美社長(65)は5日朝、遺族とともに帰国した。
小笠原さんの長男(30代)に同行して現地入り。長男は終始言葉少なで、遺体と対面した時は涙を流していたという。君島社長は「気丈に振る舞っていた。立派な息子さんがいたんだなと思った」と話した。
小笠原さんが働いていたダッカ…